Smoke from bonnet
2004 Tribal Recordings, Total Time 49:45
1. No.24
2. #1
3 .#3
4. #4
5. 今朝はいつもの色彩
6.
7. 更なりと今
8. Rain to shine
9. whiskey
10. one doll
11. no.19
11. boring
「Smoke from bonnet」(ボンネットから煙)

ある日、僕は友人と一緒に車に乗っていたら突然ボンネットから 煙を吹きあげて止まってしまった。 それが、このアルバムの名前の由来です。

その日はちょうどこのアルバムを共に作った四人が 初めて結集する日であり、 その場所へ向かっている途中の出来事だったのです。 アルバムが完成し、四人でタイトルを考えていた時 誰かが、ふと「ボンネットから煙」とつぶやき 他に候補となっていたタイトルもいくつかありましたが、 結局このタイトルに決定しました。

ボンネットから煙。 それは、私達にとって一つの象徴であり ある出来事のはじまりを示す狼煙でもあり、何よりも 私達自身が、ボンネットの煙なのだということを 私達は無意識に感じていたのです。 立ち上がっては消えていく煙に、自身の音のイメージを結合させ その消えゆく一瞬の刹那からまた、沸き上がるイメージ。 このアルバムは、そのイメージの結晶ともいえます。

その日、ボンネットから煙を吹き上げながら 止まってしまった僕の車は、 二度と動くことはありませんでした。 その時ふと見上げた黄昏れ時の空。 その空がジャケットの写真です。 このアルバムを今は亡き、僕のボロクソワーゲンに捧げます。 K
Everything, like somoke
タカハシ
タカハシ
タカハシ
Iijima
Iijima
Iijima
Iijima
中嶋
中嶋
Everything, like smoke
Everything, like smoke
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感覚的風景としての音楽

この前新聞を読んでいたら、全ての人はこの世界の様々な事を、一つの感覚の塊としてとらえていて、その感覚の塊が、脳の中で様々に結びついて、自分の中の世界を構築している、というような記事を見つけました。

僕達は、音楽は恐ろしいほど、それらの感覚を忠実に表現できる、と言う事を知っています。表そうとする、感覚が鮮明であればあるほど、それを音楽に忠実に再現するのは難しいですが、又、創作の面白みも生まれます。昇華された表現は、その人の感覚的世界が、作品に忠実に写し取られるわけです。それらの作品の中にはその人の生い立ちや、幼少の記憶、そこから生まれる哲学が感覚において、色を帯び、一つの風景を醸し出します。

このコンピレーションアルバムは一人一人独自性を持ったそれらの感覚を、一つのナレティブの中に結合させる実験です。個人個人、方法論や感覚は違うわけですが、時々全く違う方法論から現れたそれらの音が、反復し、重なり合いながら、また違った風景を作って行きます。ある瞬間にその情景が心地よく響き合い、又ある瞬間に対立しながら、一つの流れを作って行きます。

一人一人の表現は未だ完成されたわけではありませんし、ようやくある出発点に辿り着いただけだとも言えます。しかし、もし、これを聴いていただける人が、この作品の中の、反復するイメージからから、あなたの感覚的感傷に結びつく何かを、受け取っていだだけるなら、という願いをこめて、この作品を作った次第です。I